なっちゃんのソニックな日常

創作するタイプのゲームオタクです

ソニック小説 ソニック・ザ・ヘッジホッグ No.4

 

受験がなんやらで、前回の更新から相当時間が経ってしまったわけですが、ようやく再開できました!内容を忘れてしまった方は前回までのページへ

 

miityan0212.hatenablog.com

 

 

miityan0212.hatenablog.com

 

 

 すっかりこの子狐を忘れていたお2人さん。自分の弟分を忘れる程の恥は無いとソニックは反省。ナックルズはというと、単純に謝罪の言葉を向ける。

「いや~ごめんな。すっかり忘れてたぜ...」

「分かってくれたならいいんだよ~」

といたずらっぽくテイルスは返事をした。こんな事を言っているテイルスだが、裏はというと、

(ソニックなら僕のこと覚えているって信じてたのに...僕ってそんなに目立たないかな?どうしたらもう少しソニックたちが振り向いてくれるだろうか...)

という残念さと無念さを持っていた。別にたまたまだと思うが...

 

 この物語にテイルスが帰ってきたところで話題が切り替わる。ここで俺、ソニック様が真剣な顔で一手をうつ。

「ところで…」

「何?」

「あっちの方に建物が見えるんだが、あれってステーションスクエアか?」

テイルスの推測はこうだ。

「というより、『らしき』ものじゃない?ここは恐らく僕らのいた世界ではないだろうし...きっと全てはあそこに行った時に判るよ。」

なるほどね。あそこが今最も重要な手掛かりが掴める場所ってことか。俺は胸が躍ってきた。目的が見つかると走らずにはいられないのだ。それを誘うかのように、追い風が優しく吹く。これはもう行くしかないだろう。

「よし、お前の話を受け止めよう。それでいいよな、ナックルズ。」

「へへっ。もちろんだとも。」

「じゃあ、三人の意見がまとまったところで行くとしますか。Are you ready?」

俺とナッコーの二人はノリノリで

「OK!!」

 と威勢のいい返事をしたと同時にステーションスクエア「らしき」方に走り去っていった。

「ああっ!また置いていったな!待ってよ~ソニック~」

お前はいつになったら、独立できるのやら。

 

 そんなこんなで丘を越え、ステーションスクエア「らしき」所に着いた。

 今日はとても晴れていて、ビルの窓に反射する陽の光が一段と眩しい。

 高層ビルは街のどこを見てもに所狭しと並んでいて、丘ばかりを走っていたソニックにとっては、少し窮屈にも思える空間だ。

 人々は絶え間なく流れ続けていて、サバンナの動物の大移動のようにも見える。

 携帯越しに頭をさげるサラリーマンにベンチに座って友達と雑誌を開いて顔を真っ赤にして興奮している学生たち。あれはきっと女が絡んでるな。おそらく中身は…知らない方がいい。

 少なくともプライドが強いオレはあのサラリーマンのように頭を易々とさげたりしないがな。むしろさげさせてやる。こんなところに飛ばした奴をな。

 そんな強がりを考えていると、いつの間にか、この場所に似合わない小さな商店の前に来ていた。

 古びた看板には、「よろづや」と書いてある。今時、スーパーの方が品物は色々と揃っていて、もはやよろづが当たり前の時代なんだ。宣伝しても意味が無いように思えるぜ…

 しかし、オレ等動物っていうのは変わった物を見るとつい、放っておけない生き物なのだ。俺たち3人は妙に興味が湧いてきた。そしてお互いに了承のアイコンタクトを交わす。

 とうとうオレたちを「よろずや」の自動ドアが出迎えた。中は昭和の雰囲気漂う雑貨屋で、駒やウ〇ト〇マンのフィギュアなどのおもちゃがメインとして表に置かれている。奥の方には昔ながらの生活用品が置いてあり、高級スポンジや万年筆なんかが例としてある。

「いらっしゃいませ!」

威勢よく店の奥から出てきたのは、これまた店の雰囲気に似合わない1匹の若い子狐だった。おそらく、6~7歳がいいところだろう。そいつ以外には人はいないようだ。ってか!ということは!

「まさか、お前がこの店のオーナーか!?」

驚きのあまり、ついつい俺は口走ってしまった…いくらなんでも若過ぎやしないか!?

君はまだ親のすねかじっていていいはずだろ!?甘えまくっていいはずだろ!? 店なんざ持たなくていいだろ!?

 そんな謎だらけの子狐に他のメンバーもあんぐり口が開いたまま閉じない…恐らく、同じことを思っているのだろう。

 子狐はそんな空気であるにも構わず、当たり前のように続ける。

「いや~こんな店に来てくれる人なんか、今時滅多にいないのでつい興奮しちゃって…

そんなことより、僕に構わずお好きな物をお買い求め下さいね。」

 僕よ、こんなしっかり子狐を誰が構わずにいられるというんだ…超構いて~よ…テイルス並みに可愛がりて~よ…親を誉めて~よ…ナックルズが幼いぜ…

「ナックルズ、お前、この坊主を見習えよ。手厚くもてなせる立派なハリモグラになれよ。すぐカッカすんなよ。」

なんでだよ!この坊主がそんなにお利口か?」

やっぱり言うだけ無駄のようだ。もうちょっと悪戯してやるか。

「言ってる傍からこれだもんな~。要するにおめーは幼稚だってこと。」

「なにをっ!」

「二人とも!喧嘩はやめなよ!あの子より年上なのにみっともないよ!あの子を見習いなよ!

「はい…」

俺とナッコーはもう一人の天才子狐に正論を悟られ一気にしぼんだ…

もう一人のオーナー子狐はそんな俺たちに引きつった笑顔を向けている。俺たちのプライドはガラスのように木っ端みじんに砕け散った…\パリンッ

 そんな茶番の後、テイルスが、ずっと気になっていたことをお利口子狐に尋ねた。

「ねえ、君に親はいないの?どうして君がこの店をやり繰りしているの?」

それを聞いたお利口子狐は俺たちの前で初めて顔を曇らした。どうやら誰にも話せなかった何かを持っていそうだ。それもそうだ。こんな幼子が孤独なのはおかしい。

 坊主は俯いて遠慮がちに目を泳がせている。俺はもう一押しした。

「もしそれが俺たちに出来る事ならのってやる。それとも心にしこりが残ったままこれからも過ごすか?」

子狐の目に一瞬光が見えた。それは将来への希望を暗示しているようだった。こいつに後者の選択肢はないようだ。孤独のお利口子狐はおぼつかない様子で重い口を静かに開いた… そして、店にも久し振りに温かい朱色の夕日が差し込んできた…

 

 次回はうごメモで感動できると評価された一番人気の話数ですね。このシーンは自分も案外気に入っているのでだいぶ書き込むと思います!

 お利口子狐の過去とは?この世界は一体何なのか?黒幕は一体誰だ?まだまだ全てが謎に満ちています…